明治29年、第5高等学校の英語教師として熊本入りしました。
熊本在住の4年3カ月の間に6回も転居、訪れたのは5番目の家、坪井旧居。熱烈な漱石崇拝者であった五高生であった寺田寅彦が物置でもよい、おいてほしいと熱心に頼んだ家だ。長女筆子の産湯に使った井戸がある広い庭は、春の新緑、秋の紅葉、四季折々に訪れる人を楽しませてくれる。
夏目漱石は、翌年の暮れも押迫った頃、正月をゆっくり過ごそうと、熊本市街から最も近い温泉場として賑わっていた小天温泉・前田案山子の別邸へやってきた。
この旅が、小説「草枕」のモデルとなった、いわゆる「草枕の旅」。熊本郊外から2つの峠を越えて前田案山子別邸まで、旧道筋には、いたるところ往時の面影が残り、小説「草枕」の本篇が体験できた。
前田家別邸は、敷地の段差をいかした複雑な様相の屋敷で、小説では、この別邸が「那古井の宿」、前田家が「志保田家 」として登場。小天を那古井という架空の地名だ。
主人公の画工が入浴していると、、、、。
とある幻想的な場面は、この浴場の構造が演出した漱石の実体験から描かれたもの。
漱石宿泊の離れにも参上。漱石夜半の幻影も、甦るようだ。
有明海の眺望も素晴らしい。
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