漱石全集 第8巻 行人

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読書メモ

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ストーリー

「友達」

 長野二郎はお手伝いのお貞の結婚相手を見るために、関西の旅行をします。そのついでに友人の三沢とある約束をしていたのですが、三沢は胃を悪くして入院していました。二郎は、三沢を見舞うために病院に行くうちに、患者である美しい女に心惹かれます。三沢は入院する前のその女に酒を強要したことがありました。三沢は退院する前に、精神を病んでいたある娘さんの話を二郎にします。

「兄」

 二郎の兄で学者の一郎が母と妻である直を伴って大阪にやってきます。四人は観光の為に暫く滞在したのですが、その折、一郎は二郎に対して、妻直の貞操を試して欲しいと依頼します。二郎はいったん拒否しますが、とうとう直と二人で旅行をする羽目に陥ります。日帰りのつもりが、台風のため二人は一緒に泊まることになったのですが、結局直の心は掴めず仕舞でした。二郎は直の貞操を疑う必要はないと報告し、くわしくは東京に還ってからと、一郎に約束します。

「帰ってから」

 東京に還ってからも、二郎は一郎に詳しい報告をしませんでした。一郎から強く求められましたが、二郎は彼の追求を避けるような態度をとりました。すると一郎は、お前は父と同じ軽薄な男で信用できないと激怒します。それ以後、家の居心地が悪くなった二郎はついに兄夫婦と両親が同居する実家を出て、下宿暮らしをすることを決意します。

「塵労」

 二郎が家を出た後、一郎の精神状態はますますひどくなるばかりでした。直も二郎の下宿を訪ねて、自分は立ち枯れになるかもしれないと訴えます。二郎は両親と相談し、一郎を親友Hに頼んで、強引に旅行に連れ出してもらうことにしました。Hは手紙で兄の苦悩を詳しく綴ってくれました。一郎は旅行中、自分は絶対だと主張し、このままだと死ぬか、気が狂うか、宗教に入るしかないと語ったのです。








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このページは、blogskawano.netが2017年7月16日 21:45に書いたブログ記事です。

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