2018年2月アーカイブ

アカウンタビリティから経営倫理へ


人間中心へ、会計で世界変える
 「会計で、世界を変えることは可能か」。これが、本書の投げかける問いだ。会計といえば、単なる数字の羅列ではないのか。読者はそう思われるかもしれない。しかし会計のもつ可能性は、実に深遠なものだ。
 企業の目的は、株主からの負託を受けて利潤を最大化すること。会計は、それを支援する働きをもつ。ところが企業は、グローバル化、格差の拡大、環境問題の深刻化など、さまざまな経済社会問題の原因者としての顔をもつ。会計が、そうした企業行動の追認を超えて、経済中心から人間中心へと導く役割を果たすことはできないだろうか。
 著者は、公共性、責任、正義といった概念を根本に据えて、会計を根っこから造り替える試みを始める。その導きの糸となるのは、哲学者アーレントとデリダの思考である。導き出されるのは、計算可能な単一(貨幣)価値に基づく資本主義への批判、そして、複数価値の復権である。
 環境への配慮、貧しい者への配慮、女性への配慮など、多面的な価値を守ることが、企業にとっては度々「費用」とされ、利潤最大化のために切り捨てられることになる。こうした価値単一化に抗(あらが)い、複数価値を認め、その達成を無限責任として企業に求めることこそが、正義にかなうというのが本書の主張である。
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  漱石没100年、生誕150年を期し、様々な読書イベント、読書論、漱石論,
さらにwhyに応える文学論、howに応える漱石研究、エンタテイメント性の作品論などが生み出されている。




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