<研究報告>利根川東遷再検討について

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<利根が文化研究会>、
「利根川東遷の再検討をめぐって」、澤口 宏さんの研究報告

2018-10-6 群馬県太田市立新田荘歴史資料館にて利根川文化研究会例会が行われました。
開会前に、利根川 平塚河岸跡を巡検しました。
本日は、「利根川東遷の再検討をめぐって」、澤口 宏さんの研究報告がありました。

"利根川の主流が、人為によって江戸湾から銚子へ移ったこと"利根川東遷と呼ばれる一連の河川改修は、最初から銚子へ流す全体計画をたてて計画的に工事を行っていったものではなく、また、単一、それぞれの目的だけで実施されたものではない。利根川の東遷は、埼玉平野の開発--舟運路開発・治水など、時代の要請にこたえる段階的な改修工事の結果として実現された。 



(研究状況)
近世史が利根川の河道改変問題に関心を示すのは1980年代以降である。
利根川の河道改変に関わる諸河川は、会の川の締切・新川通の開削の時期以外、各研究者・文献によって解釈が異なる。
とくに利根川本流の改変に大きな意味を持つ権現堂川・逆川・佐伯堀の開削については、資料も少なく統一した見解は得られていない。
また、かつての利根川本流であった古利根川・庄内古川の河道変遷についての考察はほとんどされていない。
この理由は、利根川研究の視点は、「利根川東遷」説に立脚した利根川本流の改変時期そのものにあったことがあげられる。
したがって、利根川本流の改変に連動した諸河川の改変時期と流域全体に及ぶ段階的な河道復元作業は未だ不十分と言われる。

利根川流域の近世河川環境を中心に
利根川流域の自然環境変動の視点から見た河道変遷 (2009 𣘺本直子)
(前利根川文化研究会報告にて紹介された)


P1060938.JPG

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