統合思考による価値創造
----統合報告書作成の意義を中心に----
財務/非財務情報を「融合」したレポートにより、組織の持つ本源的な価値を正しく、解りやすく、コンサイス(簡潔)に伝える

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
今日、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まってきています。一方、ESGの観点が薄い企業は、大きなリスクを抱えた企業であり、長期的な成長ができない企業だということを意味します。
ESGの観点は、企業の株主である機関投資家の間で急速に広がってきています。
投資の意思決定において、従来型の財務情報だけを重視するだけでなく、ESGも考慮に入れる手法は「ESG投資」と呼ばれています。ESGと似た概念にSRI(社会的責任投資)という言葉がありますが、最近ではESG投資のほうがより使われる傾向にあります。
ESG投資は、他にも「責任投資(Responsible Investment)」「持続可能な投資(Sustainable Investment)」など様々な呼称がありますが、意味は同じです。
サイトシェア 統合報告書2018 ~Integrated Report × Institutional Research~
このたび東京大学は、これまでの財務情報をメインにした「FINANCIAL REPORT」 に 代わり、初めて統合報告書を作成しました。
統合報告書は、研究や教育、社会連携の情報と財務情報を有機的に結びつけてお示しすることで、東京大学の新たな使命、これらを実現するための目標や取り組み状況を共有し、共感いただくための年次報告書です。すでに多くの企業で作成されておりますが、アカデミアでは海外大学では7校、国内大学では初めての取り組みです。
[ご報告]10月20日(土)に開催した第4回東京大学「株主総会」では、総勢186名の方に参加いただきました。ありがとうございました。
オムロン株式会社の安藤聡取締役の基調講演、本学教職員職員とのパネルディスカッションを通して、統合報告書が大学が生み出す価値を社会に簡潔に伝えるのに有効な手段だということが会場のみなさまとしっかり共有できたと思います。
アンケート回答にあった「東大が今や具体的な問題意識を持ち行動に移ろうとしていることが伝わってきた気がします」とのご期待に沿うよう今後も先生方と一緒に精進してまいります。
アカデミアでは初めての統合報告書、是非お手に取っていただきたいと思います。来年は「価値創造モデル」をお示しいたします
財務/非財務情報を「融合」したレポートにより、組織の持つ本源的な価値を正しく、解りやすく、コンサイス(簡潔)に伝える