漱石先生の追懐 和辻哲郎
夏目漱石は、芸術は、人格の表現である
眼の作家であるよりも心の作家である
画家であるよりも心理家である
見る人であるよりも考える人である
小説家であるよりも哲人に近かった
先生の作物は、イデーに基づく、作られたもの
それは、人生の報告を聞くのでなく、一人の求道者の人間知と内的経路の告白を聞くのである
漱石の創作と諧謔性
利己主義 → 不正と虚偽性に対するエゴイズ、嫌悪
情熱と不快(猫、草枕、野分)
↓
→ 徳義的脊骨 → 正義 への愛 公正への情熱
↓ 厭世的気分 (虞美人草) → 恋愛の葛藤(三四郎)
↓ 人生は片づかない → 悲劇的開展
(それから、門、彼岸過迄、行人)
↓厭世的あきらめ → 正義への絶望的開展(道草) ↓
(こころ)生きること・生と死
↓ ↓ ↓
無頓着 → 則天去私 (明暗) → 創作と諧謔性
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