社会教育主事に期待する
「現状」を「ありたい未来」に向けて変えていくための社会教育活動
地域や社会の課題とは、「地域や社会の置かれている現状」と「ありたい姿」の間にある差異を指します。
そしてその差異を埋めるために大切なのは「仲間とともに主体的に学ぶこと」と「学んだことを形にする活動」です。
その取組は、経済優先により格差が広がる現代社会の現状を、人と人との関係性を大事にした社会に変えていこうとする社会教育活動ととしてもとらえることができます。
▽ その人の属するコミュニティにはさまざまな階層があることが大切
コミュニティという言葉の代表は、同じ地域を基盤に人が暮らす共同体ですが、
会の趣旨に共感した人同士が結びつきともに活動する共同体もコミュニティととらえることができます。
受講生の皆さんを例とすれば同じゼミ生同士や、大学でのサークル活動もコミュニティとしてとらえることもできます。
人が豊かに暮らしていくことができるためには、他者とのつながりはとても大切ですが、そういうつながりの場が一つではなく、階層の違うコミュニティをたくさん持っていることが大切です。
会員にとって豊かな暮らしを実現するためにとても必要なコミュニティとしてとらえられているのだと思います。
▽ あらゆる集団運営の場面に社会教育主事の役割がある
公民館主事や地域福祉コーディネーターという、職業としての社会教育主事の可能性について紹介してきましたが、今回は組織の活動を社会教育の側面からとらえて、そこに社会教育主事としての役割をとらえてみようと試みました。
このことをもう少し広げて考えてみると、会社のような組織においても「会社の現状」と「会社としての在りたい姿」の間にある差異を、会社に属する人たちがチームとなって学びながら埋めていく活動も、社会教育活動の側面からとらえることができ、社会教育主事として学んだことを活かすことができる場の一つであるととらえることができます。
つまり、あらゆる集団運営の場面に社会教育主事の役割を見つけることができるのではないかと考えています。
平成20年4月、退任講演の記録 於:袖ヶ浦公民館
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