会計とファイナンス
ファイナンスは、企業価値を最大化することを目的とし、会社 が今後得るキャッシュをより多くするための取り組みです。
そのために、 どういった資金の出し手から、 どのような条件で資金を調達するのが良いか、 調達した資金を社内外でどのように有効活用すべきなのか、 また、事業を通して回収した資金をその提供者にどのように還 元すべきなのか、 こうした、会社にまつわるお金の流れの最適なあり方を考え、 適切な経営判断を行うために、ファイナンスの知見が不可欠な のです。
会計とファイナンスの関係をシンプルにまとめると、会計は「会 社の過去と現在の経営状況を正確に把握して管理する」ための 道具であるのに対して、 ファイナンスは「会社の将来の戦略を立てる」ために必要な道 具といえます。
会計を用いれば、過去の一定期間に会社がどれだけ儲けた か、 また、過去のある時点で、会社がどのような資産を持っていた か、を把握することはできますし、売上をどの程度上げて、経費 をどこまで削るかを考えることで、 利益の創出を最大化するための管理が可能になります。
一方で、ファイナンス的な考え方が身に付けば、 今あるお金をどのように会社の成長に結びつけるか、 また、会社がより大きな事業に取り組むために、 どこからどのようにお金を調達すべきかを考えることができるよ うになります。
会計は過去・現在を見るのに対し、ファイナンスは未来を見通 すためのものです。 定量的に自社の活動状況を把握して、正しい意思決定を下す ために、 経営管理の視点を与える会計と経営戦略の観点をもたらすファ イナンスの素養は、 経営者に限らず、ビジネスパーソンにとって不可欠な両輪であ ると言える。
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