「野分」解説
「文学は人生そのものである」 。夏目漱石「野分」より、ピックアップしました。
こちらの野分は、夏目漱石の作品でも一二を争うほど、好きな作品です。
落ち込んだ時、何度も読み返して、力をもらった作品です。
まさに、言葉のサプリメントとして、自身も過剰摂取している作品かもしれません。
さて、皆さんは、小説家になりたいと思ったことありますか?
人生の苦痛や懊悩(おうのう)を、小説として表現したい。
だが、小説家になりたいと思っても、小説家で食べていけるのは、ほんの一握り。
アイドルになりたいとか。バンドで成功したいとかと同じように、小説家になるなんて、現実的じゃない夢だ。
自分の子供には、もっと堅実な職業を目指して欲しいなあ、と思う方も多いかもしれませんね。
さて、文豪と呼ばれる作家たちも、小説家として身を立てていく混乱と苦悩については、多くの作品に残しています。思うように作品が書けない、売れない。評価されない。
夏目漱石ですら、もうそんな悩みを描いているなんて意外です。
この野分は、漱石の作品の中でも特に文学とは何か?小説家として生きるとは、どういうことか?、
というテーマにフォーカスしたお仕事、小説です。
漱石の文学に対する情熱が、感じられる作品です。
仕事を頑張っている人、夢に向かって頑張っている人、あるいは本当にやりたいことに手が届かず、苦しんでいる人。そんな方々にとって勇気づけられるような作品ではないかなと思います。
以前の読書メモをアップしました。